化石燃料による発電

石炭、石油、天然ガスは、現在もなお世界的に最も重要な発電用燃料であり続けています。ほとんどの火力発電所が化石燃料を用いて蒸気を発生させ、タービンを回します。ニッケル含有材料がよく選ばれるのは、耐食性と耐熱性を備え、ボイラーや熱交換機といった厳しい条件下でも耐久性を高めるためです。蒸気の温度と圧力は絶えず高まり続けています。そうすることでプロセス全体の熱力学的効率が高まるだけでなく、CO2排出量を削減できるからです。そのためにはタービンに耐クリープ性のより高い材料を使う必要があります。最終的には、排煙の処理も大気汚染軽減のために必要となります。ニッケル含有材料には電気集塵機や排煙脱硫(FGD)装置の苛酷な条件に耐えることが求められます。

熱電併給(コージェネレーション:CHP)設備など、地域的な発電でのガスタービン利用が増加しつつあります。この場合の材料要件は、「輸送」の項で説明したものと同様です。たとえばスターリングサイクルエンジンを利用するマイクロ発電のように規模は小さくとも、耐熱性を持つステンレス鋼とニッケル合金が用いられるでしょう。

ニッケル含有材料は多くの「クリーンコール」テクノロジーでも必要とされます。たとえば石炭ガス化、二酸化炭素回収・貯留(CCS)など、いずれもCO2排出量の削減を目指す技術です。

ニュースと記事

  • 発電用ガスタービンに用いられるニッケル合金(ニッケル誌:2008年3月)
  • FGD装置における材料選択と実績(ニッケル誌:2007年9月)
  • FGD装置のための材料選択(ニッケル誌:2007年3月)
  • 発電所による水銀汚染の緩和(ニッケル誌:2005年3月)
  • 公害軽減に関する30年の経験(ニッケル誌:2004年11月)

技術文献

  • 10023 : FGD部品向け代替合金群のライフサイクルコスト比較
  • 10024 : 米国の排煙脱硫システムにおけるニッケルステンレス鋼とニッケル合金の使用
  • 10025 : 欧州における排煙脱硫
  • 10027 : FGDシステムにおけるニッケル合金の溶接と加工
  • 10040 : 熱交換器チューブに最適な金属
  • 10056 : 高温合金の実用ガイド
  • 10072 : 排煙脱硫システムのニッケル含有材料
  • 10086 : 耐食性と耐熱性を備えたニッケル合金
  • 11011 : 発電産業のための材料ワークショップの議事録
  • 11020 : ニッケルクロムモリブデン合金による壁紙シートライニングのガイドライン
  • 11021 : 高機能ステンレス鋼
  • 12001 : 特定のステンレス鋼とニッケルベース合金でFGDシステムを構築する場合のLCC上の利点
  • 14029 : FGD設備におけるニッケル含有合金の製造オプション:ユーザーのためのガイドライン
  • 14055 : FGDスクラバー・アブソーバースラリー環境における二相系ステンレス鋼およびMo 4~6%含有ステンレス鋼の耐食性

加工」もご覧ください。

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